代官山 蔦屋書店コンシェルジュ通信

代官山 蔦屋書店コンシェルジュ通信Vol.2 1月16日配信号
代官山 蔦屋書店人文 2024.01.21
誰でも

代官山 蔦屋書店コンシェルジュが、週に1回、ポッドキャストやTwitter(X)で取り上げた本のこと、間室道子の本棚、イベントのお知らせや報告など、お届けするニュースレターです。どうぞお気軽にご登録ください。

*1月16日配信号の設定に誤りがあったため、同じ内容のものをお届けいたします。すでにご覧いただいた皆様には申し訳ありませんが、今週配信予定のVol.3をお待ちください。*

寒さが一層深まってきました。店頭に立つスタッフたちも、カイロを貼ったり寒さ対策をしながら過ごしています。そして前回のコンシェルジュ通信に、早速ご登録いただいた皆さまありがとうございました!今週はこちらの情報から。

【ブックフェアピックアップ】選書フェア「『忘れられた日本人』をひらくライブラリー」開催中! 

現在、代官山 蔦屋書店1号館のマガジンストリートでは、選書フェア「『忘れられた日本人』をひらくライブラリー」が開催中です。(〜1/26まで)

今回の選書フェアの中心はこちら。『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー著者:若林恵・畑中章宏 出版社:黒鳥社

不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔、ジョン・デューイなどを補助線にしながら『忘れられた日本人』を読み解き、「民主主義の日本的起源」を探ります。

PR TIMES【黒鳥社・新刊のご案内】若林恵・畑中章宏(著)『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー 12月5日刊行! より引用しました。

版元ドットコムより

版元ドットコムより

【担当コンシェルジュから】フェア担当コンシェルジュの岡田から、おすすめのコメントを聞いてきました。 

近代以前の日本の村落というと、封建的で閉鎖的な縦社会であるというイメージが一般的です。ですが、実は、血縁でつながっていない他人同士が平和に共存できるようような村落も数多く存在していたといいます。

宮本常一の名著『忘れられた日本人』が描き出すのは、そんな「民主主義的」な集落の姿です。「民主主義の起源」は、日本にもあるのです。

今回のフェアの中心となる『『忘れられた日本人』をひらく』という本は、「民主主義の日本的起源」という観点から『忘れられた日本人』を読み解き、現代の日本で民主主義を考えるためのヒントを探る一冊です。

「日本はかつては封建的だった。明治になって西洋から民主主義を輸入したが今なお根付いていない」という従来の見方から抜け出したら、何が見えてくるでしょうか。

欧米の民主主義もうまくいっているとは言えないなか、かつて日本の中で息づいてた民主主義を紐解きつつ、現代の日本に合った民主主義の形を考えることが重要なのではないでしょうか。

今回のフェアで展開されている、民俗学、社会学、人類学、政治思想などに関する名著の数々は、私たちの現在と未来を照らす光になるはずです。

代官山 蔦屋書店『忘れられた日本人』をひらくライブラリー

代官山 蔦屋書店『忘れられた日本人』をひらくライブラリー

  岡田 基生 (おかだ・もとき)

代官山 蔦屋書店 人文・ビジネス リーダー 兼 人文コンシェルジュ。修士(哲学)。IT企業を経て入社し、「リベラルアーツが活きる生活」を提案している。哲学、デザイン、ビジネスと、専門領域が広がったタイミングで、自身のX(https://twitter.com/_motoki_okada)をスタート。Xをきっかけに、宮沢賢治に学ぶワークスタイル論をはじめとする連載やイベント出演など、発信の機会が増えている。  

文学コンシェルジュ「間室道子の本棚」更新情報 

「元祖カリスマ書店員」であり、文学コンシェルジュである間室道子が執筆する「間室道子の本棚」の更新情報をお届けします。

【第255回】間室道子の本棚 『パッキパキ北京』綿矢りさ/集英社

今回は、綿矢りさ さんの最新作の書評です!「いかなるときも人生を楽しみつくす。それが菖蒲。」という主人公による「潔さ全開の、パワフルなお話。 」とのこと、ぜひご覧ください。

間室道子(まむろ・みちこ)

雑誌やTVなどさまざまなメディアで本をおススメする「元祖カリスマ書店員」。雑誌『婦人画報』、朝日新聞デジタル「ほんやのほん」などに連載を持つ。書評家としても活動中で、文庫解説に『蒼ざめた馬』(アガサ・クリスティー/ハヤカワクリスティー文庫)、『母性』(湊かなえ/新潮文庫)、『蛇行する月』(桜木紫乃/双葉文庫)、『スタフ staph』(道尾秀介/文春文庫)などがある。

人文フロアからイベント情報のおしらせ 

今週のイベントはこちら 

1月17日(水)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】『正義はどこへ行くのか』(集英社新書)刊行記念 河野真太郎×北村紗衣「ヒーローたちはどこへ行くのか?」

1月19日(金)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】『マルクス解体』(講談社)刊行記念 斎藤幸平×高橋哲哉「危機の世界を問う人文学」

来週以降のイベント情報

1月24日(水)19時開催【オンライン配信(Zoom)のみイベント】『その世とこの世』(岩波書店)刊行記念トークイベント出演:ブレイディみかこ・奥村門土(モンドくん)「本で開く「その世」への入り口」

オンラインのみのイベントです。谷川俊太郎さんとブレイディみかこさんの書簡の連載が本になるまでを、関係する皆様からじっくりお話しを伺います。司会は岩波書店の渡部さんです。

1月31日(水)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】『「誰でもよいあなた」へ――投壜通信』(講談社)、『現代フランス哲学』(筑摩書房)刊行記念 伊藤潤一郎×渡名喜庸哲トークイベント「思想を語る言葉」

『「誰でもよいあなた」へ――投壜通信』(講談社)は、ポッドキャスト「代官山ブックトラック」でも岡田が紹介しています。

イベントのお申込みはこちらからどうぞ。来場で直接お話しを伺うこともできますので、貴重な機会、お見逃しなく。

2月6日(火)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】『どうしても動き出せない日の モチベーションの見つけ方』(大和書房)刊行記念 角田陽一郎×松下りせトークイベント「自分を魅せるモチベーションの見つけ方」

2月8日(木)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】『野生のしっそう』(ミシマ社)・『日本人が移民だったころ』(河出書房新社)W刊行記念 猪瀬浩平×寺尾紗穂 「私と他者のあいだに、〈新しい線〉を引く」

現在、猪瀬浩平さんの選書『野生のしっそう』刊行記念フェアを開催中。猪瀬さんによる丁寧な選書&コメントのペーパーも配布しています。

2月16日(金)19時開催【イベント&オンライン配信(Zoom)】代官山文学ナイト:「クラフト・エヴィング・ラジオ」第20夜 『羽あるもの』(吉田篤弘 平凡社)刊行記念

2月21日(水)【会場イベント】北田博充『本屋のミライとカタチ -新たな読者を創るために-』 刊行記念トークイベント

本書のテーマ「新たな読者を創るために、私たちができることは何か?」について、ゲストを交えたトークイベントです。当店の岡田も出演いたします!

「代官山 蔦屋書店コンシェルジュ通信」今回の書き手は人文コンシェルジュの宮台由美子が担当しました。今後も週に1度のペースで配信していく予定です。

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